アトピー研究による原因究明とメカニズム

アトピー研究による原因究明と病気のメカニズム

アトピー研究による原因究明と病気のメカニズム

 

アトピー性皮膚炎の原因は外的要因によるアレルギー炎症になるものと、自分自身が元々持っている体質による内的要因のものです。

 

外的要因は、ハウスダスト、化学物質、ダニ、乾燥、界面活性剤によるもののように体の外側から影響を与えるものです。
内的要因は、腸内環境が悪化するため、副交感神経が優位になり、腸の働きを活性化するため、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエン他のアレルギー起因物質が放出される。
また、腸管粘膜免疫機能が弱くなり、ポリペプチドが吸収されることによってアレルギー反応を引き起こすのです。

 

アトピー性皮膚炎とは別名「アトピックスキン」という皮膚の病気です。
アレルギー症状の一種と考えられがちですが、実は皮膚のバリア機能が損なわれるという物理的な理由で起こる現象です。
主な原因としては、フィラグリン遺伝子の異常、界面活性剤によって皮脂が異常にとれるための免疫系の崩壊だと言われています。
フィラグリン遺伝子異常が認められる人口は、日本ではアトピー性皮膚炎患者数の20%程度だという統計データがあります。
また、皮脂の中には分泌型IgAグロブリンといわれる抗体があり、体外から異物に抵抗する働きがあります。

 

アトピー研究による原因究明とメカニズム

 

どのような過程でアトピー性皮膚炎が起こっていくのか

どのような過程でアトピー性皮膚炎が起こっていくのか

 

@界面活性剤などの外的要因によって皮脂が削り取られる
A皮膚のバリア機能の低下
B多種多様な物質が肌の角質層を透過
Cランゲルハンス細胞が物質を捕獲し、アレルゲンと識別する
D炎症
Eキズ修復のため、ペリオスチンが生成される
Fペリオスチンとインテグリンとが結合される
GC〜Fが繰り返される
というようにアトピーの炎症の悪循環に陥ってしまいます。
実際の最近の研究によって、アトピー体質の方の皮膚組織や血中のペリオスチンの濃度は健康な人に比べて濃いのがわかってきました。

 

 

アトピー性皮膚炎によく効くステロイド剤は、短期的にみれば即効性があるので継続して効果が得られると思われがちです。
しかし、実は長期的に見た場合、軟膏などのステロイド剤を長期間継続して使用し続けることによる副作用の方が怖いことが多いのです。
ステロイド剤の副作用としては、皮膚が薄くなる、皮膚のバリア機能が低下して乾燥しやすくなる、毛が濃ゆくなる、毛細血管が目立ち赤くなる、ニキビができやすくなる、塗った場所が白くなる、ステロイド剤によりアレルギー反応を起こすなどの影響があります。

 

要はステロイド剤によって炎症を抑えながら、悪影響を及ぼすことを繰り返すわけです。
ストップボタンを押しながら、スタートボタンを押しているような状態なのです。

 

そして、一番怖いのはステロイド依存、リバウンドに陥ることです。
ステロイドの塗り始めは、湿疹がすぐ治るなどの効果があります。
ただ、長期的に使用することで肌のバリアが崩壊して、少しの刺激でも炎症が悪化するようになって、
ステロイド剤がやめられなくなることになります。
ステロイド剤の塗布をやめた場合も、重いリバウンドが起こってしまいます。
ですので、便利だからといってステロイド剤を長期的に慢性的に使うのではなく、極力控えるようにする脱ステロイドが必要です。
でも、本当にどうしてもという時には使用しない手はありません。
ステロイドの外用薬として、アンテベート軟膏は比較的皮膚から吸収されるとすぐに血液中で分解され、全身の副作用を防ぎます。
逆にプロペト軟膏は刺激が少なく、より保湿力を持つ軟膏でどちらもよく効きます。

 

アトピー研究による原因究明とメカニズム

子供のアトピーの原因と完治に向けての考え方

子供のアトピーの原因と完治に向けての考え方

 

子供のアトピーの特徴としては、顔などの皮膚に湿疹ができる症状が多いものです。
大人になってからもアトピーの症状が治っていない人の特徴としては、乾燥肌でかゆみのある場所をかきむしるために、皮膚の炎症を起こしているケースが多いようです。

アトピー研究による原因究明とメカニズム

このかゆいという現象は、実は人間の皮膚のセンサーにはかゆいと感じる感覚はなく、痛点というセンサーで痛みを感じることしか出来ません。
このかゆみを感じるシステムは、ごくわずかな痛みと感じるか感じないかくらいの感触を痛点が脳に微弱の信号を送り、脳がかゆいと感じとってしまうために起こる現象で、実はかゆみというものは極々少量の痛みにあたるのです。

 

赤ちゃんのアトピー性皮膚炎は、乳児湿疹と似た症状なため、初期の段階ではアトピーなのか、ただの脂漏性湿疹なのか、なかなか区別はつきにくいものです。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の主な原因としては、食物アレルギーのように内的要因に起因するものと、ドライスキンいわゆる乾燥肌や布団のダニ、ハウスダストなどによる接触アレルギーのように外的要因によるものとに分けられます。
内的要因よりは外的要因を優先して根気よく除去するようにすることが近道のようです。

 

このアトピー性皮膚炎は、乳児の頃から発症して、だいたい大人になる頃には症状が軽くなる、もしくは症状がほとんどでなくなる事が多いのです。
食物アレルギーの場合、小さな頃にあれこれ食べさせた上で、外見上でしかアレルギー反応があるのかないのかがわからないことが多く、外見上に異常があった場合は少しずつ食べさせて恐る恐る調べていくか、血液をアレルギー検査で調べるしか方法はありません。
外的要因でアトピー性皮膚炎が発症する一番多いケースが、市販のシャンプーやリンス、石鹸などの合成界面活性剤入りの洗浄剤を使い続けることで発症しやすくしているケースが多いようです。

 

この原理は人間は元々皮膚を守るための皮脂などのバリア機能を持っているのですが、このバリア機能を界面活性剤を使用することにより必要以上にバリアをはがしていってしまっているのです。
特に現代の人々は日常の中で体、もしくは体の一部を洗う習慣が昔の人々に比べて増えているのは少なからずあるというのが現実です。
普通に考えてみますが、お風呂に入ってお湯や石鹸で必要以上にバリアをはがして、無垢な肌がむき出しになった状態のため、そこから外部の刺激をもろに受けている状態になっているのです。
皮膚は色々なアレルゲンや毒素に接触したりして刺激されたり、吸収したりしているのです。
これでは、皮膚もたまりません。
ですから、お風呂から上がったらできるだけ洗いあがりの3分以内には、むき出しになった皮膚にローションや油分を補うなどの保湿をしてガードしなくてはなりません。
保湿のオイルはオリーブオイルがおすすめです。
この一手間をするかしないかで、外的要因のアトピーの症状が軽くなったり、重くなったりするのです。
もしくは、合成界面活性剤の入っていない、もしくは配合量の少ないものを選んでいく必要があります。
はがしてしまった皮膜は、速やかに保湿液などの保護膜を皮膚に与えなければなりません。

 

ですが、体を洗う、衣服を洗う行為は体を清潔に保つため、必要不可欠な行為です。
ただし、必要以上に洗剤など界面活性剤入りのもので洗いすぎるのは返って肌をいじめているにすぎないのです。
できれば、洗剤、石鹸で洗わない、もしくは無添加の石鹸を使う、刺激の少ないオイルを使うなどの工夫が必要です。
自分にあった洗う方法とスキンケア方法をいち早く発見した方がよいのです。

 

洗顔についても、また、洗濯洗剤についても同じことが言えます。
洗濯石鹸、洗濯洗剤についても、合成界面活性剤の入っているものを使った場合、洗濯機でいくらすすいだとしても界面活性剤や柔軟剤などの化学成分が抜け切れていないため、襟元などの肌と衣類のこすれる部分に必要以上に皮脂などのバリア機能が擦れて損なわれているのです。

アトピーの種類、対策も人それぞれで合う合わないがある

アトピーの種類、対策も人それぞれで合う合わないがある

 

アトピー性皮膚炎、アレルギー体質の方におすすめの石鹸でネットでブログなどを検索してみると、やはり無添加、天然成分、界面活性剤不使用などの石鹸がリストアップされています。

アトピー研究による原因究明とメカニズム

銘柄ではオリーブ石鹸、シャボン玉石鹸、窯出し一番石鹸(坊っちゃん石鹸)、アレッポ、アレッポ、オリプレ、カサブ、アブドゥール、マリウスファーブル、アリババ石鹸ほか、シャンプーではバックス等など、それ相当な数の石鹸が安価なものから高価なものまでリストアップされます。
タモリさんや福山雅治さんみたいに石鹸で体を洗わない、水だけで体を洗う。
もしくは、重曹を使って洗うなど様々な方法がリストアップされています。
やはり、個々の体質にあった方法をいち早く見つけることが良策になります。
ですが、使っていて気に入っていた石鹸でも、場合によっては販売中止になった。
あるいは今後どこかで発売が中止、輸入されないなどの事情で手に入れられなくなる可能性も考えられます。
ですので、自分にあった石鹸のタイプを理解しておき、万が一手に入らなくなったことも考えて、自分のお気に入りを2種類以上押さえておく必要があります。

 

アトピーを食から見直す研究

アトピーを食から見直す研究

 

アトピー患者へ万人向けの食事のレシピのようなものは存在しません。
ですが、自分自身に効果があった食べ物を自分で把握することがまず必要になり、アトピーを改善する第一歩につながります。

 

和食中心の食生活はアトピーに良いか?
その答えは「良い=yes」です。
大学の研究者が推奨する食事療法は、主食が米(玄米でも良い)もしくは麦、副食は魚介類や豆類、副菜は緑黄色野菜、根菜、きのこ類、海藻類などのバランスのとれた食事、食品になります。
この食事療法が大切で、アトピーの大敵であるリノール酸が少なくなり、アレルギー体質への体の変化を抑えるαリノレン酸をたくさん摂ることが出来ます。
このリノール酸はごく最近までは健康によい油と呼ばれていましたが、実は必須脂肪酸のリノール酸は過剰に摂取すると健康を悪化させる原因物質であることが最近の研究でわかってきました。

アトピー研究による原因究明とメカニズム

和食は日本人の体質に合っているというのは、日本人ならごく当たり前のことですが、油の良し悪しから言えば、リノール酸は摂り過ぎが健康に悪い油で、穀物、植物油、動物性食品に多く含まれており、αリノレン酸は健康に良い油で、野菜、しそ油などに多いです。
αリノレン酸系のエイコサペンタエン酸は魚介類、海藻類に多く含まれており、アレルギー研究から見た場合、アトピー体質の方には食品アレルゲンの元である動物性食品、リノール酸を摂取しすぎていることが言えます。
昔からの食事である和食は野菜や魚を中心にしており、アトピーの研究の立場から見ても理にかなっているのです。

 

アトピーとホルモンバランスの関係

アトピーとホルモンバランスの関係

 

アトピーや乾癬の原因は実は内分泌系のホルモンバランスの異常によるものだと言われています。
なにも皮膚病にかぎらず言えるのですが、病気の原因はホルモンバランスの乱れに起因することがほとんどだという事実があります。
食物は口から体内へ入り、胃や腸などの消化器官で消化され、腎臓などで体内の毒素を別の体への害のない物質へ変換させて便と一緒に体外へ排出されるのですが、日々当たり前に行っている排便や排尿のこの働きが悪いと毒素が体内に留まってしまい、再度吸収されて血液中に混入してしまい、皮膚から体外へと排出されます。
この皮膚から排出されることがアトピー、吹出物などの皮膚病の原因になるのです。
体の中の臓器の各それぞれの日々の働きが少しでも異常をきたすようなら、病気になるのは当たり前です。

 

 

 

 
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